マツダ CX-3 i-ELOOP装着車の燃費性能

マツダ CX-3 のスペックのページが更新されており,これまで未定であったi-ELOOP(アイ・イーループ)装着車の燃費性能が掲載されている.これまで「未定」となっており,どの程度燃費が違うのか少々気になっていたので,i-ELOOP装着による燃費について考えてみる.

i-ELOOP


i-ELOOPは,減速時に捨てていた運動エネルギーを電力として回収し,効率よく再利用するマツダが開発した減速エネルギー回生システムである(参考ページ).回生により蓄えられた電力は,エアコンやヘッドライト,オーディオなどの電装部品の電力として利用し,発電により消費されていた燃料を節約することが可能である.通常,自動車で用いられているバッテリーが化学反応によって充放電を行うのに対して,i-ELOOPで用いるのは電気を電気のまま蓄えることができるキャパシターであり素早く大量の電気を充放電できるとのこと.

i-ELOOP非装着車と装着車の燃費性能比較


2WD (FF) と 4WD のそれぞれについて主要諸元にある燃費を示す.

20 PROACTIVE/20S L Package 2WD (FF)

i-ELOOP非装着車 i-ELOOP装着車
JC08モード燃費 (km/L) 17.0 17.0
WLTCモード燃費 (km/L) 16.0 16.2
WLTC市街地モード (WLTC-L) (km/L) 12.2 12.7
WLTC郊外モード (WLTC-M) (km/L) 16.8 16.9
WLTC高速道路モード (WLTC-H) (km/L) 18.0 18.2

JC08モード燃費は,i-ELOOPの装着/非装着ともに 17.0 km/L で変わらないが,WLTCモード燃費では,装着車は16.2 km/L と 0.2 km/L 高い数値となっている.i-ELOOP装着車は非装着車に比べて,WLTC市街地モードでは 0.5 km/L 高い値,WLTC郊外モードでは 0.1 km/L 高い値,WLTC高速道路モードでは 0.2 km/L 高い値と,各モードで 0.1 km/L 〜 0.5 km/L の燃費向上となっている.

やはり,減速時に回生が得られるため加減速の多くなる市街地走行時の燃費により効果が期待できそうである.

20 PROACTIVE/20S L Package 4WD

i-ELOOP非装着車 i-ELOOP装着車
JC08モード燃費 (km/L) 16.6 16.4
WLTCモード燃費 (km/L) 15.2 15.4
WLTC市街地モード (WLTC-L) (km/L) 11.6 12.1
WLTC郊外モード (WLTC-M) (km/L) 15.8 16.1
WLTC高速道路モード (WLTC-H) (km/L) 17.4 17.2

JC08モード燃費は,i-ELOOPの装着車は 16.4 km/L と非装着車の16.6 km/Lに比べて 0.2 km/L 低い値となっている.一方,WLTCモード燃費では,装着車は15.4 km/L と 0.2 km/L 高い数値となっている.i-ELOOP装着車は非装着車に比べて,WLTC市街地モードでは 0.5 km/L 高い値,WLTC郊外モードでは 0.3 km/L 高い値,WLTC高速道路モードでは 0.2 km/L 低い値と,高速道路モードを除く各走行モードで 0.3 km/L 〜 0.5 km/L の燃費向上となっている.高速道路モードでは,0.2 km/L の燃費低下となっている.

やはり,2WD (FF) と同様,減速時に回生が得られるため加減速の多くなる市街地走行時の燃費により効果が期待できそうである.高速道路モードでは逆に燃費が悪くなっているのは,減速時回生が得られにくいからであろう.測定時の細かい条件等で変動するのかもしれない.

i-ELOOPの効果


総じて,カタログスペック的には僅かな燃費向上であるが,実燃費的にはもう少し効いてくるのだろうか? なお,このページでは10%程度の燃費向上が期待できると書かれている(「i-stop」との組合せで10%程度?).

加減速の多くなる市街地走行時には,i-ELOOP 装着車の燃費向上に効果がありそうであるが,やはり,回生した電力を蓄えるキャパシタの容量がそれほど大きくないことと,得られた電力は電装系で使われることから,より多くの電力を蓄えて動力に用いるハイブリッド車両に比べると大幅な燃費向上とはならないようである.

ただし i-ELOOP装着車は非装着車が搭載するバッテリーに比べて容量の小さい小型バッテリーを用いることができ,かつ,バッテリーへの負担も軽くなるというメリットはあるが,車両重量が2WD (FF)車で+10kg,4WD車で+20kg となるデメリットもある.i-ELOOP の装着はメーカーオプションで車両価格も 64,800円の上乗せが必要であり,街乗りが多いようなユーザーは費用対効果と環境への配慮を考えて導入すればよいのではないかと思う.より電力を消費する夜間走行が多いと効果も大きくなるのかもしれない.

なお,自分は街乗りメインとなるが,i-ELOOPは装着しないことを選択した.

Be a CX-3 Driver!

【参考ページ】

【MAZDA】CX-3 スペック表

【MAZDA】減速エネルギー回生システム

減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」の開発に携わったマツダの研究者3名が、平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰をいただきました